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執筆者の写真cheironinitiative

UJAボストン訪問合宿報告 (灘中学、高校有志)

UJAでは将来の研究者の育成とキャリア支援を目指し、無限大の可能性と若いパワーを備えた中学生、高校生の支援を行なっています。国内での研究者による講演や、海外の研究所ツアーなどご要望がございましたら、お気軽にお声がけください。


灘中学、高校有志ボストン研修 第一弾


2019年2月、UJAは有志灘中学・高等学校生徒によるボストン研修をサポートしました。 当時の報告を連載形式で共有していきます。 第一回は、企画・引率を務めた村田さんによる全体に関しての報告です。 彼はUJA戦略部に参加しましたので、これからこうした学生に向けた活動も活性化させていければと思っています。

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UJAボストン訪問合宿報告 東京大学四年 村田幸優

先日、母校の中高生7名を連れ、UJAのみなさまのご協力のもと、ボストンへの視察合宿を企画、実施した。

自身がシンガポール国立大学に留学中、企業・大学・高校それぞれにおいて日本との違いを目の当たりにし、「この違いを中3の時に知っておきたかった」と感じたこと、「それならば”学問の最高峰”と呼ばれる場所に赴き、今自分自身が勉強する意味を問い直すことが大切なのでは」と思ったことが、今回の合宿開催に繋がった。単なるキャンパスツアーで表層的な海外への憧れを助長させる合宿ではなく、そこで生きる人との対話の中で、自らの価値観の破壊と再構築の機会にできればと、メンバー一丸となり3ヶ月間準備を進めた。


5日間のプログラムでは、現地で生活する学生や大人との対話セッションに加え、Isabella Stewart Gardner美術館でのワークショップ、元市議会議員の方ご案内のもと、多様性や共生の視点からボストンの街づくりを考えるバスツアーなどが実施された。

特にUJAの皆様には、メンバーの要望に応じて、現地で研究をされている方や、各プロフェッショナルスクールに在籍している方を直接紹介して頂いただけでなく、Cambridge Innovation Center担当者の方の紹介を通じてビジネスの現場に潜らせていただいたこと、現地で生活されている50人以上の方が集まる飲茶会に招待いただいたことなど、多くの分野の方と関わる機会をご提案いただいた。また、今回の合宿の一つのハイライトは、ボストンに住む研究者の方や旅路で出会った方々30名を前にしての、最終報告会/懇親会であったが、それもUJAの方々の呼びかけで実現したことであった。


終わってみた今、当初の目的を超えて、生徒たちの人生観が変わり、現実の選択肢として海外に目を向けるようになったと感じる。生徒の感想でいくつか印象的であったものをあげてみたい。



「アメリカの大学とはどのようなものか、以外にも人生を変えるような貴重な出会いや縁があり、アメリカだけでなく日本に対する見方も大きく変わった。また自分を客観的に分析する力が飛躍的に高まった。期待をはるかに超えるものを得ることができ感無量です。」


「選択肢は、とても広がりました。そういう意味で、合宿前に期待していたものを得られたと思います。ここからは、達成したその目標からどう選んでいくかだと思います。」


「その時その時、面白いと思ったことを、紆余曲折しながらも進んでいく。とにかく進んでいく。その先に今があり、メディアラボがある。(という話を聞いて、)そこまで未来を限定しなくても大丈夫だと安心しました」


「自分の中の虚栄心の存在の大きさに気づいた。認識できただけでも大きな発展だが、それを乗り越えていくのには時間がかかる。人の目線を気にせずに、本当にやりたいことを見つけたい。」


「最後の議論を通じて気づいたのは、ボストン合宿で会った人には生存バイアスがかかっているということです(別の言い方をするとSurviveした人にしか会っていない。この合宿でお会いした方は夢を追い続けている、今やりたいことをやっているという方が多いです。しかし、実際はそれだけでは生きていけない人がほとんどだと思います。そういう点で(中略)『夢だけ見るのではなく足元だけ見るのでもなく両極を行き来できる生き方』をしていきたいなと思います。」


「プレゼンを終え、聴いてくださったたくさんの大人の方々と話している中で、1つ気づいたことがある。それは、皆様、とても器の大きな方ばかりだということだ。そもそも、会ったこともないような中高生7人のために日曜の晩を使ってくださっていること自体がそれの現れである。私の少し内容が変わったプレゼンを面白いと評価してくださり、何を成し遂げてきたわけでもないのに、まして将来のビジョンが定まっていないのに、応援してくださる。私なんかよりもしたビジョンを持ってBostonでの生活をされている方々ばかりだ。Boston合宿の存在と、それに協力してくださった方々への感謝がふっと湧き出てきて、それがしっかりと心に刻まれているからこそ、日本に帰ってからのチャレンジへの活力がじわりじわりと湧いてきた。」



こうした感想が上がるのは、その合宿が単なるボストン訪問にとどまらず、そこで生きる様々な人との対話の機会に恵まれたこと、そして会う人皆が、「自分の気持ちに率直に、自分で道を作り、自由に生きろ」とのメッセージを、背中で示していたからこそのように思う。それはひとえに、今回ご協力いただいた周りの方々の支えのおかげである。

訪問先の仲介にご尽力いただいたUJAの皆様、現地で快くお迎えくださり貴重なお話と学びを頂いた皆様に、心から感謝申し上げるとともに、この貴重な学びを糧に、自身もこれから学びを重ねていきたい。


最後に、この合宿、こうした活動は、来年以降もまた続くことに意味があるのだと思う。今回の合宿で直接関わりを持っていただいた皆様のみならず、この報告を通してご縁が生まれた皆様とも、今後ともそのご縁を大切にさせていただければ幸いである。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。


(写真は、ボストンで著名なラーメン店、『夢を語れ』にて)




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