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執筆者の写真Tatsu Kono

[論文賞] 草山 隆志/インディアナ大学 Indiana University

更新日:2020年4月15日

Takashi Kusayama M.D., Ph.D.

多発性不整脈における皮膚交感神経活動の測定

JCI Insight

Skin sympathetic nerve activity and the temporal clustering of cardiac arrhythmias




自律神経活動の亢進は心血管疾患の発症において重要な役割を果たしており、特に交感神経活動の測定は病態の把握、治療効果の推定など、その有用性は多岐にわたる。一般的には微小電極を皮下にある筋交感神経に刺して直接的に電気活動を測定する方法や、心拍変動の周波数を解析することで推定する方法などがあるが、いずれも不整脈中は測定が困難である。

申請者の研究室では非侵襲的に記録された皮膚交感神経活動(SKNA)から心臓交感神経活動を推定し、心血管疾患や睡眠時無呼吸症候群などの症例と心臓交感神経との関連を研究している。不整脈と自律神経活動の関係は以前から報告されているが、繰り返し発生する多発性不整脈における心臓交感神経の役割に関連した知見は乏しい。申請者は発作性心房細動症例、または心室頻拍および心室細動症例でSKNAを記録し、それぞれの不整脈エピソードとの関連を評価した。発作性心房細動に関連したSKNAバースト(興奮した状態)の合計時間は洞調律中よりも長く、多発心房細動エピソードを持つ症例では関連するSKNAの波高が有意に高値であった。多発性心室頻拍、細動症例においてもSKNAバーストの波高は安定状態時よりも有意に高値であった。これらの結果から、発作性に多発するような不整脈に対して、neuromodulation(電気・磁気刺激や薬物の投与を行い神経活動を調節する治療)は有効な手段になる可能性を示した。


審査員コメント:

The proposed approach of using skin sympathetic nerve activity to predict cardiac arrhythmias seems a wonderful strategy. The study employed clinical data including 10 patients for electrocardiogram and 6 patients for other measurements. The approach seems to be extremely useful in clinical setting. (横田先生)

多くの症例から、発作性に多発するような不整脈に対して、neuromodulationが有効な手段になる可能性を示唆した論文で、さらなる臨床研究を続けてほしいと思います。(栗原先生)

交感神経活動が心臓疾患に及ぼす影響という重要かつラボの独自の視点からの論文。

一年に2本の筆頭著者論文を出すというプロダクティビティも考慮した。(木原先生)

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