‘Floss or Die’という言葉を聞いたことがあるだろうか?これは1998年にアメリカ歯周病学会が発表した歯周病予防のためのスローガンである。そのセンセーショナルな表現はメディアでも取り上げられ、歯周病が動脈硬化症や糖尿病等の様々な全身疾患に関与すること、またその予防のための口腔ケアの重要性が広く認知されるきっかけとなった。中でもフロスの使用は強く推奨されており、世界中で用いられる口腔ケア用品の代表である。しかし近年、驚くべきことにフロスには歯周組織清掃(細菌除去)及び歯周病予防にエビデンスがないことが報告された。その要因は、フロス清掃が機械的除去によるものであり、清掃テクニックの習得が難しいのみならず、深い歯周ポケット内などアクセスができない部位の清掃が不十分となることが挙げられる。
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