ワクチンは感染症をコントロールする非常に効果的な手段です。様々な試験・研究を経て効果や安全性が確かめられた上で、小児予防接種プログラムに導入されます。私はYale大学での博士課程で、集団レベルでのワクチンの評価研究、つまり「ワクチンが予防接種プログラムに導入されたあと、何人の人が病気にならずに済んだのか」を推定する研究に取り組みました。このような推定はワクチン政策の改善・推進にとって必要不可欠であり、各国政府、WHOなどの国際機関、製薬会社などから重視されています。しかしながらワクチンによって予防できた症例数を正確に推定するのはあまり容易なことではありません。ワクチンが予防接種プログラムに組み込まれなかった場合何人の人が病気になったか(いわゆる「反事実」)を推定することが難しいからです。症例数はワクチン以外の影響(例:医療へのアクセス、一般的な健康状態や衛生状況の改善など)でも変化するので、ワクチン導入前後の症例数を単純に比較するわけにはいきません。そこで私は、ワクチン以外の要因による影響をコントロールした上でより正確に反事実を推定できる新しいベイズ統計モデルを開発しました(Shioda, et al. Epidemiology 2019; Shioda, et al. Epidemiology 2021)。
This is the applicant's first correponding author paper. The paper is important in revealing how vaccination impacts people in many countries in real world situations.
わたしは留学してもう10年以上になり、修士課程、政府機関(CDC)での就職、博士課程、ポスドクと経験してきましたが、振り返って考えるとやはり一番はじめ(Master of Public Healthの日々)が特に大変だったなと感じます。もし今大変な日々を過ごしている方がいらしたら、なんとか日々こなしていくと少しずつ道は開けていくと思います、とお伝えしたいです。
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