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[特別賞]茨木志/トレド大学

Makoto Ibaraki, MPH

[分野:ジョージア]


論文リンク


論文タイトル

Blockade Antibody Responses in Human Subjects Challenged with a New Snow Mountain Virus Inoculum


掲載雑誌名

Archives of Microbiology & Immunology


論文内容

ノロウイルス(NoV)は、世界中で非細菌性胃腸炎の主要な原因となっており、Snow Mountain Virus(SMV)はGII.2型ノロウィルスのプロトタイプとして、病原性や免疫応答を研究するためのヒト感染モデルとして利用されています。また、ノロウィルスワクチン候補の評価にも重要です。本研究では、SMVチャレンジ感染を受けた33名の血清を分析し、75.7%(25名)が感染しました。感染者と非感染者では、感染15日目以降にSMV特異的な遮断抗体、IgA、IgGの濃度に有意差が見られました。感染者においては、感染後6日目からIgGおよびIgAと遮断抗体濃度に相関が確認され、抗体濃度は時間とともに増加しました。さらに、線形回帰モデルを用いて、遮断抗体の濃度と感染後の日数との関連を解析した結果、感染者では日数の経過に伴って有意な増加が観察されました。遮断抗体は45日目でも検出可能で、個人間での濃度変動が大きいことが示されました。これらの結果は、SMV接種が強力な免疫応答を引き起こすことを示唆しており、ノロウィルスワクチン開発や感染防御研究に貢献する可能性があります。



受賞者のコメント

このたびの受賞を大変光栄に思います。支えてくださった皆様に心より感謝しています。研究を通じて人々の健康に貢献できるよう、これからも努力していきます。ありがとうございます。

審査員コメント


斧 正一郎先生

ノロウィルスの感染モデルとしてSMVの感染により、遮断抗体が増加することを示した研究で、まだワクチンの無いノロウィルスへのワクチン開発に可能性を示した有用性の高い応用研究である。ただ、解析に使用した血清は、すでに2022年に発表された論文で同グループが行った臨床試験でのものを使用しており、独創性はそれほど高い研究とは言えない。(また、掲載ジャーナルは、Predatory journals の1つとして認定されることもあり、このジャーナルが当該分野でどの程度の認知度があるのかやや疑問である)。


Shuichi Takayama先生

This work is significant for analyzing clinical samples on human immune response to norovirus infection.


エピソード

1)研究者を目指したきっかけ

もともと生物や医療に興味があり、特に「病気の原因は何か?」や「どうすれば病気を防げるのか?」ということを考えるのが好きでした。大学で感染症の研究に関わる機会があり、実際に細菌を培養したり、データを分析したりすることで、新しい発見ができることに感動しました。その経験から、研究を通じて人々の健康を守る仕事がしたいと思うようになりました。

2)現在の専門分野に進んだ理由

もともと感染症に興味があり、特にどのようにすれば感染症を防げるのか、という疑問を持って研究を始めました。さまざまな感染症の研究に関わる中で、免疫応答の仕組みやワクチン開発の重要性に関心を持つようになりました。感染症は個人の健康だけでなく、公衆衛生全体に影響を与えるため、その予防や制御に貢献できる研究が必要だと考えています。

3)この研究の将来性

この研究は、ノロウイルスワクチンの開発につながる可能性があると思っています。現在、ノロウイルスには有効なワクチンがなく、多くの人が感染し、特に乳幼児や高齢者では重症化することがあります。この研究が進めば、将来的にノロウイルスの予防策が確立され、世界中の多くの人々を感染から守ることができると期待しています。

4)スポンサーへのメッセージがあればお願いします




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