[論文賞] 坂部正英 / Cincinnati Children's Hospital Medical Center
- cheironinitiative

- 2020年10月20日
- 読了時間: 2分
Masahide Sakabe, PhD.
網膜血管形成におけるHippo pathwayの役割について
研究分野:Cardiovascular Development 留学期間:3-5 years
PNAS, 114(41) : 10918-10923, 2017

審査員コメント: 血管内皮細胞の遊走を制御する機構としてHippo pathway の下流の因子であるYAP/TAZの機能を同定した重要な報告です。今後の坂部さんのキャリア発展のための重要な礎になると期待しています。(行川先生) YAP/TAZは、核内においての役割が知られている。ここに、細胞質での新規の活性を見出した、留学3年以上かけたエポックメイキングな論文である。Cdc42活性化メカニズムや、細胞質でのYAP/TAZ経路の別のエフェクターなど、今後の更なる展開、そして第一人者として分野をリードしていくことが期待される。(佐々木先生)
受賞者コメント: この度はUJA論文賞を授与していただき、誠に光栄に存じます。アドバイザーの根岸先生をはじめ、審査委員の先生方にこの場を借りて深くお礼申し上げます。本来は若手の研究者のための賞であるはずなのに、中年のおじさんが受賞してしまい恐縮でありながらも実は喜んでおります。私は、日本で助教を6年勤めてからの留学という、稀なケースの経歴をもっておりまして、留学当初はこの決断が正しかったのか不安でいっぱいでした。しかし、佐々木先生が結成されたUC Tomorrowのメンバーの方々に支えられて、楽しい留学生活を送ることができています。今後も皆様に認めてもらえるような研究を発表していけるよう、邁進する次第であります。最後になりましたが、UJAをはじめ、各地域の日本人コミュニティの発展を祈念し、受賞のあいさつとさせていただきます。
論文執筆裏話・エピソード
「4本の競合」
よくある話ですが、論文投稿前にコンペティターがいることがわかりました。国際血管生物学会で発表をしたところ、ドイツの強力なグループが同じようなデータを持っていることが発覚しました。サブプロジェクトであったこの仕事を急遽片付けるべく、3か月の過酷な挑戦が始まりました。実はこの時点で、全くノーマークだった2つのラボも同じような実験をしており、ふたを開けてみれば、同時期に同内容の論文が4本も発表されるという超デッドヒートが自分の知らないところで繰り広げられていました。もしもあの時、論文を書き始めていなかったら、すべてのデータがごみと化していたことを思うとゾッとします。







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