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執筆者の写真cheironinitiative

[論文賞] 寺師玄記 / Purdue University

Genki Terashi, PhD.

高解像度の電顕3Dマップからのタンパク質の立体構造解析法

Nature Communications, 9 : 1618, 2018

研究分野:Structural Biology, Bioinformatics  留学期間:3-5 years

論文内容:本研究で我々は、クライオ電子顕微鏡データからタンパク質の三次元立体構造を自動的に予測する手法を開発した。  近年、クライオ電子顕微鏡法(cryoEM)の技術進歩により、原子サイズに近い高解像度の電顕3Dマップの報告数が顕著に増加している。これにより、高解像度の電顕3Dマップからタンパク質の立体構造を決定する手法の開発は、生体分子構造の研究において重要となっている。しかしながらタンパク質構造のモデリングは難しく、多くの場合研究者の手作業によって行われている。  我々は、高解像度電顕3Dマップの中で局所的に密度が高い箇所を自動的に特定し、それを最小全域木と呼ばれる木構造グラフで繋ぐと、タンパク質の骨格構造の大部分がグラフ構造として現れることを発見した。本研究では、この木構造グラフを繰り返し最適化することで、タンパク質立体構造をモデリングするコンピューターソフトウェアMAINMAST(MAINchin Model racing from Spanning Tree)を開発した。MAINMASTと既存の手法とを比較した結果、MAINMASTは現在最も精度の高いモデリング手法であることを示した。   本研究では、高解像度電顕3Dマップにはタンパク質の骨格構造を予測するのに十分な情報があり、木構造グラフの最適化によって高い精度で予測することが可能であることを明らかにした。本手法は既知のタンパク質構造に依存しないde novo modelingであり、新規タンパク質に対しても適用可能である。

審査員コメント:

Determination of precise protein structures at high resolution is extremely important in basic sciences as well as applied/medical research.  A novel structure modeling method, reported in this article, is expected to contribute significantly to varying protein-related research in academia and industries.(横田先生)


タンパク質立体構造をモデリングするコンピューターソフトウェアの開発は、これまで手作業で行われてたタンパク質の構想モデリングを短時間で構築することを可能にし、さらに新規タンパク質に対しても適用可能であることにこの研究の優秀性を感じます。(栗原先生)

受賞者コメント: 今回、思いがけずUJA論文賞をいただくことができ大変嬉しく思っています。 私の研究が他の分野の先生方から評価していただけたことは、今後の研究の励みになります。 今後も研究成果を出すことができるように頑張ります。



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