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[特別賞] 䞭野貎史 /Michigan University

Takafumi Nakano, M.D., Ph.D.

シスプラチン抵抗性唟液腺癌癌幹现胞に察するmTOR阻害剀の有甚性

mTOR Inhibition Ablates Cisplatin-Resistant Salivary Gland Cancer Stem Cells

J Dent Res.

2020幎10月


唟液腺癌は有効な化孊療法が存圚せず、攟射線療法にも抵抗性であるこずから、未だに手術が治療の䞭心である。しかしながら、進行唟液腺癌は顔面神経浞最、顔面の骚浞最、頭蓋底浞最などに起因する手術困難堎合や敎容的な問題から完党切陀困難な堎合が倚く、手術に加え攟射線療法や化孊療法を远加されるこずが床々ある。しかし、手術・攟射線療法・化孊療法など集孊的治療を行ったずしおも、高悪性床唟液腺癌は高率に局所再発・遠隔再発をきたす。これら攟射線療法や頭頞郚癌化孊療法の䞭心であるcisplatinぞの抵抗性の原因ずしお癌幹现胞の存圚が指摘されおいる。我々はこれたでに唟液腺癌の䞭で最も頻床の高い組織型の䞀぀である粘衚皮癌の现胞株を䞖界で初めお暹立させ、粘衚皮癌现胞の䞭に高い自己耇補胜及び造腫瘍胜をも぀现胞集団癌幹现胞高ALDH掻性・CD44高発珟を同定しおきた。曎に、この癌幹现胞においおmTOR経路が掻性化されおいるこずも瀺しおきた。これらの結果から、mTOR阻害薬を甚いるこずで治療抵抗性の癌幹现胞を阻害し、cisplatinの治療効果が高たるのではないかず考えた。たず、现胞障害性アッセむにお耇数のmTOR阻害剀の䞭でtemsirolimusが最も有効性が高いずいう結果を埗た。In vitro及びin vivo (患者腫瘍組織移怍モデル)においお、cisplatinにより癌幹现胞数の増加、mTOR経路の掻性化、Bmi-1自己耇補胜マヌカヌの発珟亢進、スフィア圢成胜の亢進を認めた。䞀方で、temsirolimusは、in vitroずin vivoのいずれにおいおも、cisplatinにより誘導される癌幹现胞数の増加・mTOR経路の掻性化・Bmi-1発珟亢進のいずれも抑制し、腫瘍増殖速床の抑制も認めた。䜵甚療法矀の䞭で、特にtemsirolimus先行治療矀ではcisplatin先行治療矀よりも優䜍に効果が高かった。本研究により唟液腺癌がcisplatinに抵抗性である原因の䞀぀ずしお癌幹现胞の存圚の可胜性が瀺された。曎に、temsirolimusはcisplatin抵抗性である癌幹现胞を阻害し、temsirolimusずcisplatinの䜵甚療法が進行唟液腺癌に察しお有効である可胜性が瀺唆された。たた、temsirolimusは既にFDAで他癌皮においお承認されおいる薬剀であるため、早期に臚床応甚され埗る有望な組み合わせず考えられる。


受賞者のコメント

この床はこのような玠晎らしい賞を頂き、倧倉光栄に思いたす。たず初めに、党䞖界に圱響を及がしおいる新型コロナりむルス感染症の圱響で倧倉な䞭、UJA論文賞の運営の先生方や審査員の先生方に感謝申し䞊げたす。本論文では、比范的皀な疟患である唟液腺癌をテヌマに研究を行いたした。唟液腺癌は手術による完党摘出以倖に有効な治療法がなく、日本で臚床を行っおいた際に、唟液腺癌の再発・転移症䟋で珟行治療の限界を感じたこずが床々ありたした。今回の論文で明らかにした癌幹现胞をタヌゲットずするこずで治療の可胜性を広げるこずが出来たず考えおおりたすが、ただただ未解明な郚分も倚いため、本賞受賞を励みに、匕き続き唟液腺癌の研究を継続しおいきたいず思っおおりたす。


審査員のコメント

今回、mTORの阻害剀ず化孊療法剀シスプラチンを䜵甚するこずで癌性幹现胞の増殖阻止、ならびに移怍マりスモデルでの癌の退瞮を瀺すこずに成功した。mTORの阻害剀ずしおすでにFDAで他の癌の治療に承認されおいる化合物を䜿甚したので、早期の臚床応甚が期埅される。䞉品先生


mTOR阻害剀を唟液線がんに察する化孊療法ず組み合わせるずいう治療法の実隓的根拠を䜜ったこずで、臚床応甚にも貢献する可胜性がありたす。小野先生


゚ピ゜ヌド 本論文においお研究開始から1幎半は比范的スムヌズであったず思いたす。ずころが、他の研究者同様に新型コロナ感染症拡倧に䌎う研究宀閉鎖で、2020幎3月からは研究が完党に止たっおしたいたした。閉鎖に䌎い、圓初行う予定であったマりスの実隓は䞭止せざるを埗ない状況になっおしたいたした。しかし、それたでに研究宀のメンバヌに協力しおもらいながら蚈画的に研究を進めおいたため、なんずか2幎ずいう留孊期間䞭に論文をたずめるこずが出来たした。今回のこずで、単独ではなく研究宀党䜓ずしお蚈画的に研究するこずの倧切さず、䞍枬の事態ぞの察応を䜓隓するこずができ、今埌の自分自身にずっお非垞に良い経隓であったず思いたす。

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